単一細胞への遺伝子導入法「スタンポレーション法」

単一細胞(シングルセル)への遺伝子導入法「スタンポレーション法(Stamporation法)」とは、マイクロカンチレバー作製技術を応用して作製した極微細針を持つニードルによって細胞膜や核膜に孔をあけ、培養液中の遺伝子やタンパク質を細胞内に導入するという新しい手法です。スタンプを押すような簡単な操作で細胞毎に遺伝子導入、タンパク質導入を行えます。(理化学研究所宮脇先生とオリンパス共同開発)
単一細胞への遺伝子導入法「スタンポレーション法」の特徴
スタンポレーション法には以下の特徴があり、個々の細胞に確実に導入することで、高い遺伝子導入効率、遺伝子発現効率が得られます。また遺伝子(プラスミドDNA)に限らず、様々な分子を細胞内に導入することができます。これにより、リン酸カルシウム法、リポフェクション法のような導入試薬によるトランスフェクション、エレクトロポレーション法による遺伝子導入では難しい研究対象に対して有効な場合があります。またマイクロインジェクション法に比べ操作が容易ですので、短期間で操作を習得することができます。

2種の蛍光試薬を導入した作例
細胞:HeLaS3
緑:Alexa488-dextran
赤:Alexa594-dextran
微細なニードルで物理的に導入する
- ダメージが少なく高い生存率が得られます
- 個々の細胞を確実に穿孔することにより、高い導入効率、遺伝子発現効率が得られます
- 遺伝子に限らず、タンパク質や抗体など様々な分子を組み合わせて共導入できます
- 導入試薬を使用しません
直接核内に導入する
- トランスフェクションが難しい細胞、分裂しない細胞に対しても有効です
- 遺伝子導入の2〜3時間後から遺伝子発現が確認できます
- 培養期間中の任意のタイミングで導入し、遺伝子発現させることができます
- 培養容器に接着した状態で導入するため、そのままイメージングができます
選択した細胞に導入する
- 周辺の細胞が邪魔にならず、ターゲット細胞の細胞追跡、バイオイメージングがしやすくなります
- 隣接した細胞に個別に異なる分子を導入することができます
簡単な操作で導入する
- 短期間の練習で操作が習得でき、狙った細胞に自在に導入できるようになります

蛍光試薬を用い、「OLYMPUS」の文字状に蛍光試薬を導入した作例
細胞:HeLaS3,蛍光試薬:Sulforhodamine 101
適用可能な細胞
容器底面への接着性があり、 単層での培養が可能な細胞であればスタンポレーション法が適用できます。

適用が難しい細胞としては以下の例があります。
- 組織切片等、細胞が層状に重なった状態のもの
- 容器底面に接着した状態で培養できない細胞
- 細胞壁を持つ細胞
また、小さい細胞(20µm以下)や溶液変化に敏感な細胞では、穿孔に対する ダメージ耐性、回復力が弱く、適用が難しい場合があります。



遺伝子/タンパク質導入ユニットSU100は、スタンポレーション法による遺伝子導入、タンパク質導入を実現する、倒立顕微鏡IXシリーズへのアドオンユニットです。
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