Q&A
一般的な質問
1. AFMとは何ですか?
詳しくはこちらのページをご参照ください。
2. チップ取り扱い上の注意事項を教えて下さい。
静電気による探針破損防止対策として リストバンド、イオナイザー、静電マットなどの使用をお薦めします。
また、静電気が発生し易い衣服(ウールのセーターなど)の着用は避けるようにして下さい。
尚、チップ保管はドライボックスでお願いします。
AC(ダイナミック)モード用カンチレバーについて
1. ダイナミックモード用カンチレバーの探針材質としてどうしてシリコンを選択したのですか?
シリコンは探針を先鋭に加工することに適した材料だからです。
2. シリコン探針は磨耗しやすいのではないですか?
確かに窒化シリコン探針より磨耗しやすいですが、ACモードでの使用ではシリコン探針への負荷がDCモードより低減されるので、窒化シリコン探針より探針が先鋭なシリコン探針をお勧めします。
3. 探針破損はどのようにしてわかりますか?
探針破損と磨耗は違う現象として現れます。
磨耗は測定中に探針形状が徐々に鈍化します。この形状の変化は経時的画質の劣化として現われます。
一方、破損はカンチレバー探針の物理的ダメージによる探針形状変化です。
この形状の変化により、2つのプローブ像が現われたり、像がシフトするなどの現象として現われます。
従って、標準試料を用いて定期的に画像を確認することをお勧めします。
4. スキャン測定前のカンチレバードライブ周波数チューニング時に、振動スペクトルの第1メイン共振周波数の近傍にサブピークが現われ、第1メインピークのシャープ性が得られない時があります。
この原因と対策を教えて下さい。
チップホルダーにチップがきちんと入っていなかったり、もしくはチップホルダーとチップ間に異物などが挟まっている可能性があります。
脱脂綿 などでチップホルダーをクリーニングし、チップホルダーにきちんとチップが密着保持されていることをご確認下さい。
DC(コンタクト)モード用カンチレバーについて
1. コンタクトモード用カンチレバーの探針材質としてどうして窒化シリコンを選択したのですか?
コンタクトモードは探針への負荷が大きく探針が磨耗しやすいため、シリコンに比べ磨耗が少ない窒化シリコンを採用しました。
2. すべてのサンプルに対して窒化シリコン探針で対応できますか?
ほとんどのサンプルに対応できますが、例外として窒化シリコンサンプルを測定する場合はAFM像が歪むことがあります。
3. 窒化シリコン探針の親水性処理の方法がありますか?
1つの手段としてUV照射処理があります。
また短時間(10秒程度)酸素プラズマ処理を施す手段もあります。
4. 窒化シリコンチップの疎水性処理の方法がありますか?
学会などではシランカップリング剤処理が報告されているようです。
5. 窒化シリコン探針にシラン処理をしたいのですが、探針表面にどの程度酸素が含まれていますか?
XPS分析によるとシリコン、窒素の他に酸素、炭素が含まれています。
炭素は11.6%程度含まれており、酸素プラズマ処理、あるいは(H2SO4+H2O2)処理により5%以下に減らせます。
また酸素につきましては、10%以上含まれていますが、ガラスの1/4~1/5程度なのでシラン処理は基本的に可能です。
6. カンチレバーにコーティング処理を施す時に留意すべきことは?
コーティングで発生する応力に留意して下さい。
カンチレバーは柔らかいので、コーティングで発生する応力により容易に曲がりが発生します。
電気測定用カンチレバー(OMCL-AC240TM)について
1. ブレイクダウン電圧を教えて下さい。
金コートサンプルを用いた弊社の実験では、ブレイクダウンは約3V、約7mAでした。
また誘電体材料のサンプルでは約50Vの結果でした。
尚、ブレイクダウンは測定条件、サンプル条件で変わりますので、弊社実験データは保障するものではなく参考データとしてご検討願います。
2. 探針先端の白金コート膜の厚みを教えて下さい。
探針先端の白金膜厚はおおよそ8nm、またフラットな面の白金膜厚はおおよそ20nmです。
3. アルミニウム反射コート膜の反射率を教えて下さい。
おおよそ90%です。白金反射コート膜の約2倍、またノンコートシリコンカンチレバーの約3倍の大きさです。
4. 強酸/アルカリ溶液中での使用は可能ですか?
アルミニウム反射コート膜が溶けますのでそのような強溶液中でのご使用はおすすめできません。
柔らかいサンプルのフォースカーブ測定用カンチレバー(バイオレバー)について
1. 濡れたサンプルに乾いたカンチレバーを近づけていくと、表面張力によりレーザー反射光が戻ってこないほどカンチレバー(特にBL-RC150VB-C1のBレバー)が大きく曲がってしまうことがあります。この対策を教えて下さい。
サンプルにカンチレバーを近づける前にカンチレバーを濡らして下さい。
濡らす方法はスポイトなどを使用し、カンチレバーチップの側面からレバー先端に水を回り込ませるようにしてみて下さい。